傅恒と瓔珞の恋は、気持ちが足りないからではなく、宮廷の構造が許さない恋です。
傅恒と瓔珞の関係は、『瓔珞』の中でも最も切ない線の一つです。互いに惹かれ合いながら、結ばれる未来へ進めない。そこには、本人の気持ち以上に大きな宮廷の構造があります。
傅恒は富察皇后の弟であり、名門富察家の人物です。瓔珞は宮女として後宮に入り、やがて皇帝の目に留まる人になります。二人の距離は近く見えて、実は身分と場所によって強く隔てられています。
宮中の恋は、噂になるだけで危険
後宮にいる女性と皇帝に近い男性の感情は、それだけで危険です。本人たちが誠実でも、周囲はそれを利用できます。噂、疑い、嫉妬、政治的な罠がすぐに絡みます。
だから傅恒の誠実さは、瓔珞を救う力であると同時に、彼女を危険にさらす可能性もあります。宮廷では、純粋な気持ちほど扱いが難しいのです。
成立しないから、記憶に残る
傅恒と瓔珞の恋は、成就しないことで強く残ります。二人は互いを完全には忘れませんが、それぞれ宮廷の中で別の役割を背負います。
この恋を見る時は、「なぜ結ばれないのか」を不運だけで片づけない方がいいでしょう。二人の間には、皇帝、富察家、後宮、身分という壁がありました。その壁こそが、瓔珞の上昇物語を苦くしています。