魏瓔珞の上昇は、才能だけでなく、宮中の身分階段を一段ずつ利用する物語です。
魏瓔珞は宮女として紫禁城に入ります。ここが『瓔珞』の面白さです。最初から妃嬪として選ばれた女性ではなく、働く側の人間として後宮に入るから、後宮の裏側を見ながら上昇していきます。
清代の内務府を扱う研究では、内務府や包衣の家族が宮廷運営と深く関わっていたことが分かります。宮中で働く人々は、単なる背景ではなく、皇室を支える制度の一部です。
宮女は、低いが近い
宮女は身分が高いわけではありません。しかし皇后や妃嬪の近くに仕えるため、情報と危険に近い場所にいます。瓔珞はこの近さを使って、姉の死の真相に迫り、自分の道を開きます。
ただし、近いということは巻き込まれやすいということでもあります。後宮の争いに一度触れれば、無関係ではいられません。
妃になることは、自由になることではない
瓔珞が位分を上げるほど、生活は豊かになります。しかし自由になるわけではありません。今度は妃嬪として、寵愛、嫉妬、皇子、後宮序列の中で動かなければならなくなります。
彼女の上昇ルートは、勝利の階段であると同時に、より危険な場所へ進む階段です。そこを押さえると、『瓔珞』の痛快さと怖さが同時に見えてきます。